千葉県南房総館山市にある曹洞宗のお寺です。水子供養・永代供養・ご祈祷などのお申し込みは当山まで。坐禅体験もあり。

曹洞宗 正木山西光寺

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法話

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四諦--苦諦その4 病苦その2 病気にならない生き方その35
口内フローラ −口は禍の元− 平成30年1月

新年明けましておめでとうございます。
各位にとりまして佳き年になるよう祈念申し上げます。

よく、歳をとると共に一年経つのが早く感じると言われますが、正月などは特にそれが感じられます。
若い人にとって未来は希望と期待に満ちた「上り坂」ですから「新年おめでとう」の実感があり喜ばしい限りです。

しかし、人生「下り坂」にある高齢者にとっての新年はまた一歩来世に近づいた感も否めません。
齢を重ねる毎に、体力、知力、精神力などが確実に衰えて行くばかりでなく、経済的、健康的な心配も現実味を増してくるからです。

とは言え先ずは今年一年をサバイバルしてまた来年を迎えられるよう頑張りましょう。
人生を「坂」に例えましたが、その「坂」の状況は百人百様であって、勾配も長さも内容も違います。

「知らず知らず歩いてきた細く長いこの道、振り返ればはるか遠くふるさとが見える。でこぼこ道や曲がりくねった道。地図さえないそれもまた人生、ああ川の流れのように・・・」

御存知美空ひばりの「川の流れのように」の歌詞です。
人生は又、川の流れに例えられるかもしれません。全く先行きが見えません。
希望通りにいきませんし、後悔も尽きません。
今一度あの時に戻れたら、やり直せたらと思うことはいくらでもあります。

人生それぞれですが、その人の幸、不幸が決まるのは「生き様」であり、最後の「人生全う」や「大往生」も、その評価が決まるのもまさに「下り坂」の晩年です。
日本人の寿命も延びてきて人生100歳の時代がやってきます。

ある統計によれば50年後の日本人の100歳の人口は64万人にもなるとか。
65歳でリタイヤしたとしても、まだ20年から30年もの余生が待っています。
長寿になるほど長い「下り坂」人生が待っているのです。

やがて平均寿命は100歳になるとも言われているそんな超長寿時代に対応するには兎にも角にも先ず健康でなければなりません。
人生は「下り坂」がメインです。
「下り坂」(拙僧を含め)のみなさん。幸も不幸もこれからが勝負です。

仏教の第一義は人の幸福です。その幸福を担保してくれるものこそ健康です。
本ホームページが健康のタイトルにこだわっている理由です。
そんなことで「病気にならない生き方」も今回で早35回にもなりました。

不老長寿はまさに人類の飽くなき欲望です。
医科学もそれをモティベーションに日進月歩の発展を続けています。
遺伝子解析やiPS細胞による再生医療によって、やがて癌をはじめ、様々な病気が克服されるでしょう。百歳人生は夢ではありません。

しかし、それらが現実になるのはしばし先のことでしょう。
今の我々がその恩恵を受けるには間に合いません。
当面は、自分の健康は自己責任のもとで、自己管理していくしかありません。

さて、前々回より歯科医師、森永宏喜先生の「全ての病気は『口の中』から」の著書より、その内容をご紹介させていただいておりますが、今回もその中から一緒に学んでみたいと思います。

実は、昨年11月19日(日)、森永先生の講演会(無料)が館山市文化ホールで開催されそれに参加させて頂きました。
講演会のことを地元新聞で知り早速参加を申し込んだ次第ですが、それが7回目の講演会だったことに驚きました。

先生は、口の中の状態が如何に生活習慣病に影響を与えているか、そしてその予防が如何に大事かについてスライドやゲームを取り入れて丁寧に教示くださいました。
先生の著書から予備知識は持っていましたが、改めて納得のいく「授業」でした。

誰でも歳をとれば歯が無くなるのは至極当然だと思っていたことが全くの間違いだったこと。
生活習慣病など多くの病、特に認知症などにも歯周病菌が大きく関わっていることなど、更に「目から鱗が何枚も」落ちました。

講演が終わり帰り際、先生に挨拶をして著書を拝読させていただいたこと。
その内容を拙僧のホームページに引用させて頂いていることのご了解を頂き名刺を交換させていただきました。
全くのボランティアでの講演や啓蒙活動を医院職員が一丸となって定期に実行されていることに心から敬意を表します。

先生は、「噛める」ことは生命維持の基本と言われます。
平成元年に、当時の厚生省と日本歯科医師会が中心になって「8020(はちまるにいまる)運動」がスタートしました。
「80歳になっても、自分の歯を20本以上保とう!」と、広く呼びかけました。

歯が上下合わせて20本あれば、大体の食品を容易に噛めて、食生活に満足できます。
そして、この「噛める」ということは、生命維持の最も基本的な条件の一つということがわかってきたからです。

「8020運動」を進めている財団は、噛むことの8大効用を挙げ、その頭文字から“ひみこの歯がいーぜ”というフレーズを謳っています。
つまり「肥満防止、味覚の発達、言葉がはっきり、脳の発達、歯の病気を防ぐ、ガンの予防、胃腸の働きの促進、全身の体力向上と全力投球」の8つです。

最後の全力投球というのは、歯を食いしばると力がわいてくる、ということです。
さらに言えば、「ひと口30」という勧めもあります。ひと口食べたら、30回は噛むようにしようということです。

よく噛むと、唾液の分泌が盛んになります。虫歯や歯周病を予防するのはもちろん、唾液に含まれている殺菌作用を有効に使うためにも、またセロトニンなどホルモンの分泌を促すという。

この30回噛むことは、日米共通のようで米国抗加齢医学会でも奨励しています。
唾液分泌の活発はいろいろなホルモンの分泌も盛んにします。
さらに、唾液に含まれるアミラーゼが、デンプンやグリコーゲンといった多糖類の消化を促進します。

神経年齢についても、口の中の状態とのかかわりがあることがわかっています。
65歳以上の日本人を対象に、4年間追跡した調査によれば、歯がほとんどなくて、かつ義歯を使っていない人は、20本以上の歯がある人と比べて、認知症の発症リスクが1.85倍も高いという結果が出ています。

それに対し、歯がなくても義歯を使用している人の場合は、歯がある人と発症リスクに差は認められなかったそうです。
噛むことは中枢神経を刺激し、脳細胞の減少を抑制するといわれています。
中枢神経と「噛める」機能との深い関わりを示しているといえます。

よく噛むことで、唾液の分泌を活発にします。
唾液には、免疫グロブリンAや、抗菌作用のあるゾチーム、ラクトフェリンなどが含まれていて、これらは、飲食や呼吸などで口から侵入してくる病原菌をブロックするのに欠かせない存在なのです。

口の中が良好な状態の人は、いろいろな慢性疾患にかかってないことが多く、それだけ免疫力が強く病気にかかりにくいと言えます。
寝たきりや認知症の状態でずっと長生きするよりは、自分の事は自分でできて、社会参加もできるという老後でなければなりません。

超高齢化社会に向かって健康寿命が一層大事になってきています。
「口は禍いの元」であることを肝に銘じたいものです。

合掌

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