千葉県南房総館山市にある曹洞宗のお寺です。水子供養・永代供養・ご祈祷などのお申し込みは当山まで。坐禅体験もあり。

曹洞宗 正木山西光寺

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法話

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四諦--苦諦その4 病苦その2 病気にならない生き方その36
口内フローラ −口は禍の元 その2− 平成30年2月

2月15日は釈迦さまの命日涅槃会(ねはんえ)です。
お釈迦さまが亡くなったことを「涅槃」と言いますが、改めてその意味について考えてみましょう。

サンスクリットのニルバーナの訳であり、原義は「吹き消すこと」、また「消えた状態」。
転じて煩悩の火が消え、智慧が完成する悟りの境地をいいます。
漢訳では、滅度、寂滅、円寂などがあります。

お釈迦さまの死を「入滅」と言いますが、人間としての80年の寿命を終えられたと同時に「涅槃」に遷(うつ)られたのです。

涅槃とは、煩悩のない真実の世界、完全無欠の一切の悩みや苦しみから脱した、円満、大安楽の境地であり、仏教で理想とする世界のことです。
涅槃とはすなわち仏の世界そのものを指します。

お釈迦さまは「入滅」されたと同時に涅槃の世界に居場所を“遷(うつ)”され、そこで更に衆生“教化”に務められているので、それを遷化(せんげ)と申します。
つまり涅槃の世界から引き続き娑婆世界を見守られているのです。

「峰の色谷のひびきも皆ながら我が釈迦牟尼の声と姿と」(道元禅師)
お釈迦さまは過去の仏さまではなく今でも三身仏(法身・報身・応身仏)として生きておられるのです。我々(仏教徒)は皆お釈迦さまの子(みこ)なのです。

「今此三界 皆是我有 其中衆生 悉是我子」(法華経・譬喩品)
「また釈迦牟尼はおおせられた『今この三界は、みなこれ我がものなり。そのなかの衆生は、ことごとくこれ我が子である。』」(正法眼蔵・三界唯心)

涅槃とは仏の世界だといいましたが、仏の世界というと、普通極楽浄土を連想しますが、極楽浄土は西方十万億土はるか彼方にある来世の世界であり、そこを治められているのが阿弥陀如来です。

お釈迦さまの担当される世界はこの我々の生きている娑婆世界ですから、遷化されて尚この娑婆世界に留まり我々を教化されていると考えるのが釈迦牟尼を本尊とする宗派の捉え方なのです。

阿弥陀信仰は来世の極楽往生のご利益を願い、釈迦如来信仰は現世のご利益を願ったものと言えるでしょう。
そういった意味から、阿弥陀さまとお釈迦さまは比して大変対照的な仏さまといえるのです。

死ぬことを「お陀仏」といいますが、阿弥陀仏のところに往生することから来ているといわれます。
では壊れたり使えなくなったりすることを「おしゃかになる」といいますがそれはどうゆうことでしょうか。

諸説あるなか最有力説では、江戸時代に鋳物師が阿弥陀仏を鋳造したところ失敗して「光背」を無くしてしまい、光背のない仏様と言えば釈迦牟尼仏なので、そのことから、失敗してダメになることを「おしゃかになる」と言ったとか。

またその失敗の原因が「火が強かった」というのです。江戸っ子は「ひ」を「し」と発音することから「しがつよかった」→「四月八日」=お釈迦さまの降誕会(ごうたんえ)なのでそれに引っ掛けて「おしゃかになる」というようになったとか。

まるで都市伝説のようですが信じるかどうかはあなた次第です。
何れにしろ、人は誰でもやがていつかは「お陀仏」や「おしゃか」を迎えるわけですが、「人生全う」し「大往生」したいものです。
それにはいつも言うように先ず健康です。

さて、前回に続き森永先生の著書から学んでみたいと思います。
「口は禍の元」と言いましたが、特に昨今大きく注目されているのが認知症です。
それに歯周病が大きく関わっているというのですから驚きです。

認知症のなかでも、特にアルツハイマー型認知症(AD)は、「アミロイドベータ―」と言う特殊のタンパク質が脳内に増えることが原因だと言われているのは案外皆さんご存知ですが、そもそも認知症は「脳の炎症」なのだそうです。

脳にアミロイドベータ―が溜まることで脳が炎症を引き起こし、炎症が更なる炎症を引き起こすのです。
その炎症は、激しい急性の炎症ではなく、むしろ「長く続く慢性の小さな炎症」なのだそうです。

歯周病は口の中で起こる小さな慢性炎症ですが、驚くべきことに、アルツハイマーで亡くなった人の脳を調べたところ、歯周病菌の毒素が高頻度で検出されたそうです。

これに対して、アルツハイマーを発症していない人の脳からは、この歯周病菌の毒素は検出されなかったそうです。
研究のリーダー名古屋市立大学・道川誠教授は「歯周病治療で、認知症の進行を遅らせられる可能性が出てきた」といわれます。

歯周病は、重症化しない限り強い症状はありません。
自覚症状は少なく、中等度までは自分で見つけることが困難な病気です。
その原因は細菌感染ですが、その原因菌は口の中だけでなく、血管を通して全身に拡散して悪さをしているのです。

厚労省の調査によると、50代後半から60代前半にかけて歯周病がある人の割合は、8割を超えています。
また若い世代でも、歯周病にかかっている人は少なくありません。
口臭の強い人、歯茎から出血する人は罹患していると疑った方がよいでしょう。

つまり日本人の多くに歯周病という慢性炎症があるということです。
その小さな慢性の炎症が年齢とともに重症化していき、徐々に脳の炎症を悪化させていくというストーリーがあるのです。

アルツハイマー病の罹患率は、70代から急激に増加します。
その病の原因となる脳内物質アミロイドベータ―の蓄積は、発症する15年ほど前から始まるといわれますが、まさに歯周病罹患のピークの年代と重なっているのです。

歯周病のような慢性炎症が、がん、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の悪化に大きく影響するということが、アメリカでは10年以上も前から話題となっていたのに対し、日本ではようやく最近一部の専門家が気づき始めたのが現状だとのこと。

「日本ではまだ、歯周病の全身への影響の認識が十分ではないなかで、それにいち早く気付いていた超一流の先生がいらっしゃいます。
その先生こそ、天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀された順天堂大学の天野篤教授です。

天野先生はエッセイのなかで、『厄介なことに口腔内の細菌は血液中に入り込みやすい傾向があるようです。(中略)たとえば歯周病で歯茎に炎症があると(中略)その免疫の連鎖反応が血管内にも飛び火します。その結果、起こるのが動脈硬化の悪化。(中略) 実際、歯周病の人は心筋梗塞になるリスクが高い報告があります』

そしてエッセイの最後は、『まさに口は病の元。下手をすると命取りになりますから、くれぐれもご用心を』と結んでいます。
7200例以上の圧倒的な手術の実績を評価されて宮内庁からオファーを受けた、日本で右に出る者のない心臓外科医師だからこそ辿り着いたご見識ではないでしょうか。」と森永先生は評されています。

今や日本は押しも押されぬ長寿国ですが、2012年時点の認知症患者は約462万人、その予備軍は約400万人と言われています。
3〜4人に1人は認知症になるといわれ、その約半数はアルツハイマー型といわれています。

歳をとれば誰でも歯は抜け、歯周病になったり認知症になったりするのは当たり前だと思っていましたが、認識を持ってケアに努めれば十分対峙できるのです。
健康はまさに自己責任にあるということを改めて肝に銘じるべきです。

合掌

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