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平成18年9月3日 兵庫県 30代女性からのご相談

私には、現在小学4年生と2年生の息子がいます。
2人ともが、今よく話題になっている軽度発達障害児で、自閉傾向もあり、多動的なところもあります。
そこで、坐禅をさせればいくらか落ち着きが出るのでは・・・。と考えるのですが、そのような子供をお寺が受け入れてくれるだろうか、他の方の迷惑になってはいけないし。など、悩むところも多く、親が思うほどの効果が現れるのかどうかも気になります。
とにかく今は、落ち着きを持たせたくて、坐禅という方法に行き着いたのですが、どのようにお考えになられますか?
よいアドバイスがあれば、お教えいただけるとありがたいです。

西光寺住職です

お子さんのことでお悩みのようですね。
自閉傾向と多動的傾向とか。
坐禅で効果があるかどうかとのことですね。

坐禅はすべての人を対象としていますので坐禅をすること自体特に問題はありません。
ただ坐禅は宗教ですから基本的に信仰心が必要です。
よく集中力を付けたいとか精神的に強くなりたいとかの目的で坐禅に見える方がいますが坐禅の目的はそのような現世利益ではありません。
そのよう方は決して長続きしません。今までもの多くの例から明らかなことです。

坐禅は仏教という宗教ですからまず仏教に帰依する心が無ければ最初からやらない方がいいでしょう。
坐禅とは体と呼吸と心を整え安心(あんじん)の世界を求める修行方法なのです。
安心の世界とは仏の世界のことです。
仏の世界を少しでも理解したいという真心がありさえすれば必ず効果はあります。

信仰心があってこそ効果があるのです。
その効果としての落ち着きや精神力は期待できるとおもいますが、はじめから単に精神力や落ち着きを求めるためだけならば何か特に厳しいスポーツでもさせた方がずうっと効果があると思いますよ。

坐禅での効果とは「修行の行事そのもの」を言います。
そこのところ理解できますか?
坐禅そのものがすでに「効果」だと捉えるのです。
専門用語で言えば「修証一如」ということです。ちょっと難しいかもしれませんね。

もうちょっとわかり易く言えば、落ち着きのないお子さんも坐禅中は落ち着いているでしょうということです。
だから座れば座っただけ効果があるということになるのです。
ただ小さな子供さんにとっては続けることは大変難しいことだと思います。
ですからもし本気で坐禅を考えるとしたらまず信仰心の力が必要なのです。

心に仏様を信じることから入らなければなりません。
そこで更に重要なことは、子供さん自身の問題よりも親であるあなた自身の問題として考えなければならないということです。
なぜなら親が信じないものを子供に信じさせることはできないからです。

子供さんだけに坐禅をさせるのではなくあなた自身も一緒になってやらなければ意味がないということです。
小さい子供さんは親を全幅的に信頼しています。だからあとはあなた次第ということになるのです。

子供さんは吸収が早いので信仰心が生まれれば必ず心と体が落ち着いてくると思います。
まずはあなた自身が仏、法、僧の三宝を信じることから始まります。
如何でしょう。

合掌

曹洞宗正木山西光寺