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仏教に関するQ&A

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卍、逆卍の意義について…

卍、逆卍の意義について教えてください。
私は現在、キリシタン・隠れキリシタンの研究をしておりますが、その件と卍とが結びつきそうな気がします。
また、家紋についても教えてください。表家紋・裏家紋にはどのような意味があるのでしょうか。
最後に、差別戒名について教えてください。今はなくなったとは聞いていますが、おそらく穢多・非人階層につけられたものと解釈しますが、実際はどうなのでしょうか?

住職からの答え

卍の意味についてお答えします。
「卍」は仏教徒の記章です。われわれの本性が宇宙同体の大縁起であるということの象徴です。
卍の縦画は時間を、横画は空間を表し、三世十方に縦横無尽なることを示しています。
四つの先端が左右に折れ曲がっているのは我々の本性が霊妙不可思議な宇宙大の光明を放っていることを表しています。
我々の本性がこの卍であることを信じて精進することが仏教徒の目的であるのです。

以下は辞典による説です。(参考までに)これは太陽が光を放っている状態を象形化したものとの説もありますし、一般的には卍字はヒンズー教の太陽神ヴィシヌの胸部の旋毛を示すものとされ、仏教では仏陀の胸や足裏に現れる瑞相とされ、ジャイナ教でも使用されているそうです。

ヒンズー教やチベット仏教では右旋と左旋とに意義の区別があるそうですが、中国や日本ではその区別がないそうです。
卍字はサンスクリットでsvastika(スバスティカ)といい、功徳、円満、吉祥などの意味があるそうです。
日本では主に左旋を用い寺院の象徴として使用されています。

表家紋と裏家紋とのご質問ですが、申し訳ありませんが、正直私にはよくわかりません。
想像ですが、戦国時代以後には家門を守るため家柄を一時隠す意味で、発音が同じで意味の違う字を使うために姓を変えたことがあったとも聞いたことがありますが、そのこととは関係ないでしょうか。

差別戒名についてですが、確かに昔職業によって戒名が付けられたことがあったようです。
そのことから明らかに差別を表す意味の文字が使われたことがあったようです。
特に非差別部落の人たちに対して意図的に付けられていたことがあったのは大変残念なことです。
特に仏教に携わる僧侶によって差別が行われていたことはとても恥ずべき事実だと思っています。

言うまでも無く仏教の精神は絶対普遍な慈悲心を以ってこの世を浄土に変えていくことです。
三宝印の中の諸法無我の意味は、三世は本来完全無欠の平等の世界であるから、その「法」に則り生きるべきだと教えています。
基本中の基本が理解されていなかった結果だと思います。
特に指導者はもっと真の仏法を知るべきであると思います。

非差別部落の例はほんの氷山の一角であります。
それに残念ながらまだまだ表に表れない影での差別が存在しています。
差別に苦しんでいる人たちがまだまだいるのです。
この心の問題こそ宗教界はもっともっと力を入れるべきと考えます。
それには真の仏教の布教が望まれるのです。

世界には他にもまだまだいろいろな差別が存在し、蔓延しています。
文明、文化、科学はどんどん進歩しているのに心の世界での問題は一向に進歩していません。
残念なことですが、決してあきらめてはならないのです。
満足のいく答えとなったか疑問ですが以上で回答とさせていただきます。

合掌

曹洞宗正木山西光寺