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仏教に関するQ&A

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差別戒名について…

以前、卍の件について質問したものです。
差別戒名について、再度教えてください。
どの文字があれば差別戒名と判断されるのでしょうか。ご存知の範囲で教えて下さい。

住職からの答え

「差別戒名」というのは、江戸時代中期から昭和20年頃までに被差別部落の檀信徒のみに「授与」された、「一般」の檀信徒と比較して「不当に差別され、おとしめられた戒名」のことをいいます。
その形態は、被差別部落の人々を差別するために、賤しいとされた「身分」、皮革製造などの「職業」や相手を見下した軽蔑した文字や言葉などを織り込んだものです。

具体的な例をいくつかあげれば、「連寂(置字)僕女、ト男、革尼、□□革門ト霊、僕霊、屠士、草女、畜男、似女、穢女、非男、栴陀羅男」などが確認されております。
これらは、職業や身分を直接的な差別表記で表している「直接的差別戒名」です。

それに対して、一般の戒名と比べ、授けられている文字の数が少なかったり、位階によって明らかに区別をしているなど、授ける側に差別的意図が見られる「相対的差別戒名」があります。
もとより、戒名とは、仏教に帰依した「仏弟子としての名前」ですから、そこに差別あるいは区別するという余地は全くありません。

16世紀末頃から第二次世界大戦後まで、東日本を中心として全国的におびただしい数の「差別戒名」が付与され、そしてそれが墓石に刻み込まれ、位牌や過去帳などに記されて、長い間、被差別部落と見なされてきた人々の礼拝、供養の対象となって来たという事実に対して謝罪の言葉もありません。

特に、本来仏の世界という理想の世界を追求している筈の僧侶によってそのような「差別」が行われてきたという事実を重く真摯に受け止め衷心より反省し、これからの布教に務める必要があります。
もっともっと開かれた仏教、開かれたお寺、開かれた僧侶が求められているのではないでしょうか。

(「曹洞宗人権学習基礎テキスト」を参考にさせていただきました。)

合掌

曹洞宗正木山西光寺