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平成20年5月27日 静岡県 20代男性からのご相談

(※一部修正してあります。)

はじめまして。私は、妊娠中の妻を持つ会社員です。
毎日の生活に不満もなく、日々楽しい毎日です。
先週末飲み会の予定が入ったので、飲み会に参加しました。
仕事の愚痴も入りいつもより多く飲んだと思います。

泥酔し、足元もおぼつかないまま駅まで到着しました。
あとは駅からタクシーで帰るだけでしたが、駅の入り口付近に、同じく泥酔している女性を見つけ声をかけました。
はじめは、何もやましい心もなく声をかけただけですが(本心は違ったかもかもしれません。)家まで送るといって、その途中過ちを犯してしまいました。
相手も家庭を持っており、その場で名前も電話番号も交換せず、お互い の家庭のこともあるから、何もなかったことにすることで分かれました。

翌日、うそをついている自分に無性に腹が立ち、何ともいえない気持ちになりました。
過ちを犯してしまった自分にどうしたらよいのか分からなくなっています。
妻に本当のことを言ってしまうことが良いのかと頭をよぎることもあります。
子供がまもなく生まれるという一番大切な時期に嘘をついてしまっている自分に腹立たしく、懺悔したいと思いメールいたしました。
罪を取り返すことはできないと思いますが、懺悔する方法をご教示ください。

西光寺住職です

「操」(みさお)という言葉がすっかり死語になってしまったのが今の日本です。
それに代わって「不倫」という言葉がすっかり定着してしまいました。
それだけに今回のあなたのようなケースは特にめずらしいことではありません。
そう考えるとまだ20歳代のあなたが今回のことを強く反省して懺悔しようとしていることにむしろ感心するくらいです。

今や日本は世界に名だたる"不倫天国"と言われていますが、その"天国"の実体は"地獄"であることを知るべきでしょう。
因果の法則からいっても不貞、不倫から良い結果が生まれる筈は絶対にありませんから。
みてください。その証拠に不貞や不倫が原因で起こる犯罪がほんとうに多いのです。
性欲は大変重要な本能であり生命力ですが、扱いを誤るとそれは人の理性を狂わせてしまいます。それはちょうど「嘘」と同じです。

はじめは心に咎を感じますが、それが繰り返されるとやがて良心の呵責も麻痺してきます。
気がついたら自分自身大変な詐欺師になっていたという人のことを先日ワイドショーでやっていました。
不貞、不倫もまったく同じです。
はじめは反省したとしてもそれが繰り返されると、やがて「普通」になってしまいます。
やがてとりかえしのつかない事態になって「後悔先に立たず」と反省しても後の祭りです。

そんな事態になる前に反省できたあなたはほんとにラッキーです。
すばらしい奥さんとこれから生まれてくるお子さんのためにもしっかりと反省してください。
欲望に負けそうになったら、最悪の結果をシュミレーションしてみるのも一計かもしれません。
家族の顔を思い出してみるのも良いかもしれません。

さらに効果的なことは次の 仏教の戒律を口ずさむことです。
「第一不殺生戒(殺生をしない)」「第二 不偸盗戒(盗みをしない)」「第三不邪婬戒(邪淫をしない)」「第四不妄語戒(嘘をつかない)」と唱えてください。
「不邪婬戒律」は三番目に重い戒律であるということを自分に言い聞かせ、それを心から実行することができればそれがあなたの求めているほんとうの「懺悔」となるでしょう。

合掌

曹洞宗正木山西光寺