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法話

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法話--平成29年7月--

四諦 - 苦諦その4 - 病苦その2 - 病気にならない生き方その32
口内フローラ 歯周病

今や内閣は腐りきっています。
そんな政府を正すことができないのは、国会自体が悪玉菌の蔓延によって「国会フローラ」なるものが害されているからです。
前回から指摘の通りです。

そんな悪玉菌の主役こそ言うまでもなく安倍総理大臣。
秘密保護法やら安保関連法やら共謀罪法やらを、多数の横暴によって、まともな説明もなく姑息で狡猾な手法を使って強行採決してきました。

内閣府人事局はまさに安倍総理私物化による依怙贔屓、寵愛人事の本丸に他なりません。
森友問題も加計問題もそんな総理の忖度から生まれた問題であることは状況証拠からほぼ間違いありません。

加計グループが設置する際に投じられたこれまでの補助金・助成金などの税金は、判明分だけでも500億円以上に及ぶそうです。
その全てが適正だったのかさえ怪しいものです。
国会へ証人喚問された籠池氏に対し加計氏からの説明は一切ありません。
疚しいことがなければ正々堂々と姿を現し説明すべきでしょう。

籠池夫妻は逮捕されましたが、森友学園の土地8億円値引問題も是非はっきりさせてもらわないと国民は納得できません。
籠池氏の言う「トカゲの尻尾切り」に終わらせられたんでは、もはや法治国家とはいえません。

自衛隊日報隠蔽問題で平然とウソをつき通し、自衛隊員の生命がかかる問題を起こしながら稲田防衛大臣を首にもしない。
まさに寵愛人事による秘蔵子だからでしょう。
北朝鮮からいつミサイルが飛んで来るかもしれない事態なのに、安倍さんは一体何を考えているのか。

「丁寧な説明」など口先だけで、その弁解は、すればするほど信用できない。
こんな人がまだ総理大臣を続けていること自体呆れ果ててしまいます。
最早安倍さんには総理の資質はないのですから。

これまでの公私混同、私利私欲による国の損害は計り知れません。
この国の傷を癒すには、気の遠くなる時間と代償を費やさなければなりません。
即刻安倍内閣が総辞職しても、この負の遺産、恐怖の種を取り去る過程が待っているかと思うと、安倍氏の推し進めてきたことの罪深さは筆舌に尽くし難いところです。

さて、政治の話はもういい加減にしましょう。この辺で本題に移ります。
最近ようやく腸内フローラが知れ渡ってきましたが、実は、人の口の中にも悪玉菌と善玉菌、日和見菌からなる700種類もの細菌が棲みついており、「口内フローラ」が形成されていることがわかりました。

この「口内フローラ」のバランスが崩れると、虫歯や歯周病などの病気だけでなく、糖尿病や早産、動脈硬化から脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高まることが明らかになってきました。

そこで今回から「病気にならない生き方」を学ぶにあたって「口の中の健康」について3月に紹介しました、歯科医師森永宏喜先生著「全ての病気は『口の中』から!」を参考に学んでみたいと思います。

口内細菌の悪玉菌の中には、虫歯を引き起こす「う蝕病原菌」と、歯周病を引き起こす「歯周病原菌」の2グループがあります。
歯のケアを怠ったり、口腔環境が悪くなったりすることで、悪玉菌ばかりが繁殖するとまず虫歯や歯周病などになります。

歯周病菌などの菌が作った物質は、慢性炎症の歯茎を通じて血管など体の組織の内側に入り込むことで重大な病気の原因となるのです。
歯周病との関連が強い病気の代表が、糖尿病だといわれます。

歯周病から「炎症性サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質が作り出されることで、糖の代謝に関わるインスリンの作用を低下させてしまうのです。
それが原因で血糖値のコントロールが悪くなり糖尿病が悪化してしまうのです。

血液中に入り込んだ歯周病は、血管を刺激して動脈硬化の原因となる物質を増やしてしまいます。
ほかにも、肥満や腎臓疾患、関節炎など、歯周病菌によって引き起こされたり、悪化したりする病気がいくつもあることがわかってきました。

歯周病は「もの言わぬ病」といわれます。
初期の段階では、自分で見てもわかりにくく、自覚症状もほとんどありません。
そして、自覚症状が出てきたときには、病気はかなり進行していて、治療が非常に難しくなっていることが多いのです。

歯周病はいわゆる歯周ポケットから細菌が侵入し、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし、最終的に歯が抜けてしまう「歯肉と骨の感染症」なのです。

歯周病は、今や成人の約8割がかかっているとされる「国民病」なのです。
にもかかわらず、歯周病を「病気」と思っていない人が少なくありません。
たとえ歯周病と診断されたとしても、歯のことだから大したことはない・・・
などとタカをくくってしまっている人が多いのではないでしょうか。
これは、まさに大きな落とし穴と言えるのです。

早い人では、10代から歯肉炎・歯周病の初期症状が始まり、40代、50代で患者数が最も多くなります。
これを放っておいて、やがて歯が減り噛みにくくなっても、歳をとったのだから歯が少なくなるのは当たり前と、まだ事の重大さに気が付かないことが多いのです。

食べ物が噛みにくければ、栄養の摂取に問題が出てきて、全身の健康に影響してくることはいまでもありません。
さらに怖いことには、口内の不健康は万病のモトになります。
特に、歯周病がいろいろな生活習慣病の原因となっていることがわかってきました。

気づかないうちに、あなたを蝕んでいる歯周病。
そのとき、あなたの口の中では、一体何が起こっているのでしょうか。
ふだんの歯磨きで落としきれなかった汚れや食べカスは、歯の表面や歯間、歯と歯ぐきとの間などに付着して、歯垢が作られます。

歯垢は、単なる食べカスではなく、実は私たちが食べた物などを栄養にして繁殖した細菌の塊なのです。
1グラムの歯垢には、なんと1億個もの細菌がいるといわれます。歯垢は、いわば細菌の巣窟なのです。

これは、歯と歯ぐきの間のミゾである歯周ポケットの中にも多く付着します。
歯周ポケットに入り込んだ歯垢は、歯を磨いてもブラシが届きにくく、歯はさらに増殖していきます。

最近は、歯垢のことをバイオフィルムとも呼びますが、特にリーダー格の悪い菌を中心にして何百種類もの菌が集まり、塊を形成しています。
この塊は、唾液でも溶けにくい物質で覆われていて、うがいくらいではとてもとれません。

恐ろしいことに、そのバイオフィルムから放出される毒素は、口内の歯周病の病巣に開いた血管を経由して全身に散らばっていきます。
LPS(リポポリサッカライド)と呼ばれるこの毒素が血管の内部や神経組織などに炎症を引き起こすことがわかっています。

たとえば、20本の歯に中程度(5ミリ)以上の病的な歯周ポケットがあるとすると、口の中には大体72㎤、つまり手のひら1個分ほどの潰瘍があることになります。
潰瘍は組織が傷ついている状態で、炎症のモトになります。

口の中の病気だから大丈夫などと安易に考えていると、歯周病は、その進行とともに全身に慢性的な炎症をもたらします。
この炎症こそ、重篤な病気の引き金となる恐ろしい症状であると、今注目されているのです。

合掌

曹洞宗正木山西光寺