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法話

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法話--令和3年2月--

太平洋戦争の真実 その10 ―ルーズベルトニ与フル書 ―

今回もユーチューブの中から見付けた感動のお話です。
太平洋戦争で最大の激戦地硫黄島で戦死された市丸利之介中将がルーズベルト大統領に宛てた手紙を紹介します。

市丸少将(当時)が最後の突撃を行って散華されたのは昭和20年3月26日です。
その9日前、少将は地下20メートルの洞窟に動ける者全員を集めました。
そして、副官である間瀬中佐が一歩前に出て「ルーズベルトニ与フル書」を読み上げました。

朗読が済むと、この書の和文の方を通信将校の村上大尉が腹に巻き付け、ハワイ生まれの三上弘文兵曹が英文に翻訳したものを航戦参謀の赤田中佐が身に付けました。
そして、市丸少将は、栗林中将と共に軍服にある一切の肩章を外し、ひとりの皇国臣民として最後の突撃を行い散華されたのです。

「ルーズベルトニ与フル書」は、アメリカ海兵隊員の手で二人の遺体から発見されました。
当時米軍は、日本兵の遺体から所持品を確かめていました。
市丸少将はそれを知っていて、この「書」をしたためられたのです。

市丸少将は、自らの死を目前として、たとえ硫黄島が奪われ我が身が土に還ったとしても、人が人として生きることの大切さをこの「書」にしたためることで、死して尚、日本の描いた壮大な理想悠久の大義のために戦い続けようとしたのではないでしょうか。

そして、その「書」は米国内の様々なメディアで紹介され、全米で大絶賛されました。
「書」に書かれた理想は形を変えて米国の理想となり、いまや世界の人類の常識とまでなっているのです。
そしてこの書は、アメリカ海軍兵学校内アナポリス博物館に今でも大切に保管されています。

「ルーズベルトニ与フル書」
「日本海軍市丸少将が、フランクリン・ルーズベルト君に、この手紙を送ります。
私はいま、この硫黄島での戦いを終わらせるにあたり、一言あなたに告げたいのです。

日本がペリー提督の下田入港を機として、世界と広く国交を結ぶようになっておよそ百年、この間、日本国の歩みとは、難儀を極め、自らが望んでいるわけでもないのに、日清、日露、第一次世界大戦、満州事変、支那事変を経て、不幸なことに貴国と交戦に至りました。

これについてあなたがたは、日本人は好戦的であるとか、これは黄色人種の禍である、あるいは日本軍閥の専断等としています。けれどそれは、思いもかけない的外れなものといわざるを得ません。

あなたは、真珠湾の不意打ちを対日戦争開戦の唯一の宣伝材料としていますが、日本が自滅から逃れるため、このような戦争を始めるところまで追い詰められた事情は、あなた自身が最もよく知っているところです。

畏れ多くも日本の天皇は、皇祖皇宗建国の大詔に明らかなように、養正(正義)重睴(明智)積慶(仁愛)を三綱とする八紘一宇という言葉で表現される国家統治計画に基づき、地球上のあらゆる人々はその自らの分に従って、それぞれの郷土でむつまじく暮らし、恒久的な世界平和の確立を唯一の念願とされているに他なりません。

このことはかつて、「四方の海皆はらからと思ふ世になど波風の立ちさわぐらむ」という明治天皇の御製が、あなたの叔父であるセオドア・ルーズベルト閣下の感嘆を招いたことで、あなたもまた良く知っていることです。

わたしたち日本人にはいろいろな階級の人がいます。けれど私たち日本人は、様々な職業につきながら、この天業を助けるために生きています。
私たち軍人もまた、干戈(かんか)をもって、この天業を広く推し進める助けをさせて頂いています。

私たちはいま、豊富な物量をたのみとした、貴下の空軍の爆撃や、艦砲射撃のもと、外形的には圧倒されていますが、精神的には充実し心地ますます明朗で歓喜に溢れています。

なぜならそれは、天業を助ける信念に燃える日本国民の共通の真理だからです。
けれどもその真理は、あなたやチャーチル殿には理解できないかもしれません。
私たちは、そんなあなた方の心の弱さを悲しく思い、一言したいのです。

あなた方のすることは、白人と、特にアングロサクソンによって世界の利益を独り占めにしようとし、有色人種をもって、その野望の前に奴隷としようとするものに他なりません。

そのためにあなた方は、奸策をもって有色人種を騙し、いわゆる「悪意ある善政」によって彼らから考える力を奪い、無力にしようとしてきました。

近世になって、日本があなた方の野望に抵抗して、有色人種、ことに東洋民族をして、あなた方の束縛から解放しようとすると、あなた方は日本の真意を少しも理解しようとせず、ひたすら日本を有害な存在であるとして、かつては友邦であったはずの日本人を野蛮人として、公然と日本人種の絶滅を口にするようになりました。

それは、あなた方の神の意向に叶うものなのですか?
大東亜戦争によって、いわゆる大東亜共栄圏が成立すれば、それぞれの民族が善政を謳歌します。
あなた方がこれを破壊さえしなければ、全世界が恒久的平和を招くことができる。
それは決して遠い未来のことではないのです。
あなた方白人はすでに、充分な繁栄を遂げているではありませんか。

数百年来、あなた方の搾取から逃れようとしてきた哀れな人類の希望の芽を、どうしてあなた方は若葉のうちに摘み取ってしまおうとするのでしょうか。
ただ東洋のものを東洋に返すということに過ぎないのではありませんか。

あなたはどうして、そうも貪欲で狭量なのでしょうか。
大東亜共栄圏の存在は、いささかもあなた方の存在を否定しません。
むしろ、世界平和の一翼として、世界人類の安寧幸福を保障するものなのです。
日本天皇の神意は、その外にはない。

たったそれだけのことを、あなたに理解する雅量を示してもらいたいと、わたしたちは希望しているにすぎないのです。
ひるがえって欧州の情勢をみても、相互の無理解による人類の闘争が、どれだけ悲惨なものか、痛感せざるを得ません。

今ここでヒトラー総統の行動についての是非を云々することは慎みますが、彼が第二次世界大戦を引き起こした原因は、第一次大戦終結に際して、その開戦の責任一切を、敗戦国であるドイツ一国に被せ、極端な圧迫をするあなた方の戦後処置に対する反動であることは看過することのできない事実です。

あなた方が、善戦してヒトラーを倒したとしても、その後どうやってスターリンを首領とするソビエトを協調するおつもりなのですか?
およそ世界が強者の独占するものであるならば、その闘争は永遠に繰り返され、いつまでたっても世界の人類に安寧幸福の日は来ることはありません。

あなた方は今、世界制覇の野望を一応は実現しようとしています。
あなた方はきっと、得意になっていることでしょう。
けれど、あなたの先輩であるウイルソン大統領は、そういった得意の絶頂の時に失脚したのです。

願わくば、私の言外の意を汲んでいただき、その轍を踏むことがないようにしていただきたいと願います。 市丸海軍少将」

欧米の植民地であった大東亜(東アジア)の諸国を解放し、大東亜共栄圏の確立という壮大な構想を立ち上げていた日本は、本来この戦争を「大東亜戦争」と言っていました。
ところが戦後、そのイメージを良しとしないGHQによって「太平洋戦争」とするよう指導された事実も忘れてはいけません。

合掌

曹洞宗正木山西光寺